2013/02/24

Santa Clara City Library

サンタクララ市の図書館に行ってみました。
思いの外キレイで、書籍や雑誌も多く、閲覧用テーブルも十分にあり。なのにそれほど混んでいない・・・というわけで、かなり心踊りました。ここなら1日いてもよさそう。

2階建てになっていて、1階にはDVDや子供向け書籍、2階には書籍、雑誌、閲覧用テーブル、PCブース等がありました。
閲覧テーブルには電源があり、PCが使えます。静かに勉強したい人のための「Quiet Study」ルームも。
雑誌は100種類くらいあり、 日本、中国のものも置いてある。
外国書籍コーナーに、ヒンドゥー語、日本語、中国語、韓国語の書籍もあって、やはりシリコンバレーは多国籍、特にアジア系の人が多いんだなと改めて感じました。

図書館の中にはカフェもあって、コーヒー片手に本を読むなんてこともOK。

しかも、電子書籍も借りられます。図書館の専用サイトから貸出可能な本を選ぶと、Amazon.comのサイトに連動するという仕組み。すごい近代的!
図書館の裏側入口

しかも、この図書館は、Central Parkに隣接しています!サンタクララにもセントラルパークがあったなんて(笑)
ニューヨークのセントラルパークほど広くはないけど、緑豊かで、噴水もあり、家族で遊んでいたり、カップルが散歩したりしていました。
セントラルパーク

2013/02/10

米国連邦最高裁判事の回顧録

アメリカ連邦最高裁判所判事のSonia Sotmayor(ソニア・ソトマイヨール)が自身の幼少時代から連邦地方裁判所判事になるまでを綴った回顧録「My Beloved World」がニューヨーク・タイムズの「Best Sellers」ハードカバー・ノンフィクション部門で、3週連続1位になっている。

ソトマイヨールは、2009年にヒスパニック系アメリカ人で初、女性では3番目に連邦最高裁判事に任命された。
プエルトリコ移民の2世で、ニューヨークのブロンクス育ち。低所得層向けの公共住宅で暮らし、小児糖尿病にかかり、9歳で父親が死亡。
「困難を抱えた人だって、ハッピーエンドが可能だということを知ってもらいたかった。」
本の前書きで、この回顧録を書いた目的をこう書いている。

また、こうも書いている(意訳)。
「自分の夢が叶うかどうか、その可能性で夢の価値を決めてはいけないと、私は経験から学んだ。夢に向かって進む自分の気持ちの強さにこそ価値がある。結果的に違う方向に進んだとしても少なくとも前進することはできる。ゴールにどれだけ近づいたかではなく、今までやってきたことこそが成功するための正しい方法だったと気づくだろう。」

自分の求めていたゴールと違う結果になったとしても、その過程が大事だということ。自分のやりたいことのために、とにかく必死で動いているのか・・・と考えさせられる言葉でした。

また、この本に関して個人的に面白かったのが、そもそも最高裁判事が回顧録を出版すること自体、日本だったらきっとありえないなということ。しかも、本の宣伝のために、テレビのトークショーに出たり。
アメリカのロースクール生は、連邦最高裁判事9人の名前をすべて言え、しかもどの人がどういう考え方で、どういう判決文を書くかもよく分かっている。これには本当に驚いた。
私は日本の法学部に通ったし、今ではメーカー法務部で働いているけど、日本の最高裁判事の名前など誰一人として言えない(自慢することでもないけど・・・)。
でもアメリカでは、最高裁判事がもっと身近な存在な気がする。ソトマイヨールの本の宣伝を兼ねた地方講演会兼サイン会 には多くの人が詰めかけており、ニュースでもその様子が伝えられる。
司法に対する日米の感覚の違いがよく分かり面白い。

2013/02/04

米国ロースクール事情:出願者数減少

アメリカのロースクール出願者数(J.D.への出願)が減少傾向にある。
今年の9月から始まるロースクールへの出願者数は、今年1月時点で約30,000。
これは、昨年同時期に比べて20%ダウンなんだそう。また、2010年からは38%ダウン。
2004年には、100,000人が出願したものの、今年は最終的に54,000人程度になる模様。

ロースクールへの出願者数減少は、どこから来ているのか。
ひとつには、学費の高さがある。
2012年の平均学費(1年間)は、私大で40,500ドル(公立で23,600ドル)。
アメリカのロースクールは卒業に3年かかるので、卒業までにかかる学費総額は、121,500ドル!
1ドル=90円として、約1000万円。
ほとんどの学生が教育ローンを組み、卒業時には、125,000ドル(約1100万円)の借金を抱えているという。

アメリカで法律を学ぶには、ロースクールに行く必要があるが、これは大学院であるため、
一旦法律とは無関係の学問を大学の4年間で学び、その後ロースクールに行くことになる。
アメリカでは、大学全般の学費が高いため、4年制大学+ ロースクールに通うことは、
経済的にかなり大きな負担となる。

また、ロースクール卒業後には、卒業生のほぼ全員が、いずれかの州の弁護士試験を受け、
法律事務所や企業の法務部等で働く ことを目指すのだが、弁護士が飽和状態かつ不景気のあおりで就職難。
2011年の卒業生に関していうと、ロースクール卒業後弁護士資格を得た卒業生のうち、
卒業後9か月以内にフルタイムの職に着いたのは、実に卒業生の55%のみ。
私が以前通ったBoston Universityからも、先月、ロースクールの学長から卒業生宛に
「2012年の卒業生の就職の世話をしてほしい」というメールが届いたほど。

このような状況のため、ローンを組んでまでロースクールに通うことを躊躇する人が増えているのだろう。

それでは、日本の法科大学院ではどうかというと、学費1年間の平均は、私立で100万円前後、
公立で80万円。3年間私立に通っても300万円前後。アメリカの学費の高さがよく分かる。
就職率はどうか。司法試験合格者のうち、2割程度が就職できない状況という話だから、
アメリカよりはましと言えるか。
ただ、最近は、法曹資格を得ても、法律事務所等に就職できずに、いきなり独立して事務所を
構える弁護士もいるというから、このような方を含めると、数はもっと悪くなる。
また、日本の新司法試験は、法科大学院卒業後5年以内に 3回までしか受験できないという
回数制限があるため、試験を受けずに企業に就職する方もいることを考えると、
日本の司法試験制度及び法科大学院卒業者の就職もまったく楽観視できない状況だといえる。

 社会にとって、適度な法曹人口がどの程度なのかは、その社会のバックグラウンドによりけりで
一概には言えないのだろうが、多様な人材が法曹界に入りたいと思うように、大学側のコストの
見直し等考えてほしいと思う。

【関連記事】
WSJ: http://online.wsj.com/article/SB10001424127887323926104578276301888284108.html
NYT: http://www.nytimes.com/2013/01/31/education/law-schools-applications-fall-as-costs-rise-and-jobs-are-cut.html?_r=0